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レッスンデザインの実例

 アイボスの「教えない教育」の教育手法では、学習モデルやID理論をベースにしながら、ファシリテーションを前提としたレッスンデザインを行い、「レッスン設計書」(授業設計書)・「コース設計書」(カリキュラム、講義概要書/講義設計書)として具体化します。

 ここでは、レッスンデザインの実例をご紹介します。

1.授業設計書の実例

 次の研修コースを前提として想定し、「Word基本操作」のレッスンデザインを例としています。
 授業設計にあたっては、「特定のテーマで成果物をつくりながら学ぶ」といった講座で有効な、「導入<オリエンテーション>・起動<やってみせる>・改造<やらせてみる>・創造<オリジナル作品制作>・収穫<まとめ>」という5段階のプロセスで構成されたフレームワークに準じたデザインとなっています。
 フレームワークという考え方は、「再利用性を上げる」・「生産性を向上させる」といった点で教育においても適用できる考え方です。

前提となるコース設定

研修の目標講義及び実践的な「ケーススタディ」による演習により、OJTと同等以上の研修効果を生み出す。
Microsoft Officeの使い方(各種ソフトウェアのインストールからキーアプリケーションズの基本操作)やWindowsプログラミング、データベース操作、ネットワーク技術を習得し、関係各部署の業務改善、業務支援が行える人材を養成する。
研修日程20日間
対象者新入社員。
Windowsのアプリケーション・ファイル操作、日本語入力などの基本操作ができる。

1-1 カリキュラム例

テーマ1 Windowsキーアプリケーションズ(5日間)
日程研修項目学習内容学習目的
1日目研修キックオフ研修内容・日程の説明。モチベーションの喚起
PC基本操作とネットワークWindows&ネットワークの基本操作及びMicrosoft Officeキーアプリケーションズ(Word、Excel、PowerPoint)の活用方法を習得する。演習を通じて、Windows及びネットワークに関する基本的な操作技術を習得する。
そして、その技術を連携することによる日常業務への活用方法を見出す。
Word基本操作
(アプリケーション操作)
2日目出張報告書の作成
(Word応用)
3日目旅費交通費精算書の作成
(Excel基本①)
4日目売上集計のグラフ化
(Excel基本②)
5日目企画会議でばっちりプレゼン!
(PowerPoint基本)
テーマ1の成果物各種作品群
テーマ2 Windowsプログラミング(5日間)
日程研修項目学習内容学習目的
6日目ネットワークとデータベース①Windows環境におけるプログラミング技術及びデータベース、ネットワーク技術を習得する。アプリケーションの活用に加え、基本的な情報技術となるプログラミングの基礎とアルゴリズムを学ぶ。また、それらの基礎技術を日常業務へ活用する方法を見出す。
7日目ネットワークとデータベース②
8日目営業実績の多角的分析
(VBA基本操作)
9日目ホームページの作成
(HTMLとPHP①)
10日目ホームページの作成
(HTMLとPHP②)
テーマ2の成果物各種作品群
テーマ3 ハードウェア基礎(4日間)
日程研修項目学習内容学習目的
11日目コンピュータの基本原理コンピュータのハードウェアについての基礎知識を習得する。(「ITパスポート」レベル)ここまでに演習主体で習得した各種アプリケーションの活用方法やプログラミング技術、データベース及びネットワーク技術の背景(裏付け)として、コンピュータシステム(主にハードウェア)の基礎知識を学ぶ。
12日目情報処理の基礎と理論
オペレーティングシステム
13日目データベース技術基礎
14日目ネットワーク技術基礎
情報システムとRASIS
テーマ3の成果物レポート
テーマ4 業務改善と情報セキュリティ(6日間)
日程研修項目学習内容学習目的
15日目業務と業務改善企業における代表的な部門とその業務活動について理解し、その業務活動をモデル化する手法を習得する。
また、業務遂行上の問題点を解決するための手法も学ぶ。そして、「情報セキュリティ」をテーマにグループ演習を行い、具体的な業務改善提案書を作成する。
グループワークを通じてプロジェクトとしての仕事の進め方を学ぶ。また、問題発生→現状分析→対策案検討→業務改善提案といった一連の問題解決の手順を実体験する。研修の前半で習得した技術をフルに活用して、ドキュメンテーション及びプレゼンテーションを行う。
16日目情報システムの運用と整備
17日目情報セキュリティ対策①
18日目情報セキュリティ対策②
19日目文書化と発表技術
20日目プレゼンテーション
(発表と評価)
自分たちの研修成果を自信をもって発表する。また、他グループの発表内容を含め相互評価を行う。
テーマ4の成果物業務改善提案書、プレゼン資料

1-2 コンテンツ構成例

 レッスンデザインの具体化は、レッスンに応じて最適となるコンテンツ構成で設計します。ここでは情報セキュリティの理解や業務支援・業務改善のできる人材育成を目指すコースを前提としていますので、コンセプトシートに基づく演習や評価シートなど、特に情報設計や情報表現を意識したレッスンデザインとして、以下ような構成としています。

Wordの活用と情報表現①(ケース:「DMハガキの制作」)

①ティーチングプラン※講師用

  • 基本事項をまとめたヘッダーと学習全体の進行表、実際の教案から構成される。
    レッスンの流れや教え方・学ばせ方のポイント、留意点など。

②制作ガイド※学習者に配布

  • 学習者主導による自主的な学習を支援するためのテキスト。制作の手順や機能説明、学習にあたって注意すべき点など。

③サンプル作品・サンプルデータ※学習者に配布

  • 学習時に自由に改造させて操作や制作の感覚を掴むためのもの。作品制作時に活用できるサンプルデータなど。原因まねを意識したサンプル作品を用意する。

④演習シート※学習者に配布

  • ケーススタディの概要や演習時間等の要約。問題意識を引き出し、参画意欲を高める。

⑤コンセプトシート※学習者に配布、記入後回収

  • これから制作しようとする作品のコンセプトやデザインなどの設計を記入するシート。行き当たりばったりでなく、目的や意図の実現を意識させる。

⑥評価シート※学習者に配布、記入後回収

  • 学習の成果物を自己評価・相互評価するためのシート。講師側は学習効果の確認、学習者側は相互評価による学習の強化を見込む。

⑦講座内容確認シート※学習者に配布、記入後回収

  • その日の学習効果や学習者の状態を把握するためのシート。満足度や理解度など。次回学習時にフィードバックし、学習効果の強化と満足度を高める。
    すべての講座で使用できる汎用的なもの。

2.レッスン概要(ヘッダー)